子供というのは大人が考えもしない事を言ったりする。

 4歳の姪は大人顔負けのボキャブラリーの持ち主だ。若干4歳にして「まさか〜するとは思わなかったよ」、「〜なんだけれども」など、まるで英熟語の日本語訳のような言葉を喋る。そうかと思えば、「ふくらはぎ」を「ふくらあげ」(新種の油揚げかと思った)と言ったり、「カルピス」を「カルスピ」と言ったりするので大人なんだか子供なんだかわからない。

 私の妹が姪を連れて銭湯に行ったときのことだ。体を洗い、先に湯船 につかった姪が大声で叫んだ。

「ママ−!お風呂に万能ねぎが入ってる!」

妹は一瞬のうちにそれが菖蒲だと理解した。その日は「冬至」だったのだ。確かに、万能ねぎより少々太いがそれに見えないこともない。

 5歳までに子供は毎日、数十個の単語を覚えていくという。姪を見ていると、確かに恐るべき学習能力である。覚えようとしているというより、本能的に頭に入っていってしまうという感じだ。

 最近姪は自分の周りにいる人間関係を、少しづつ理解し始めるようになった。じじ、ばば、ママ、パパ、ともちゃん、てるちゃん etc....。
ママのじじの名前は?ママのばばの名前は?私達の質問に得意そうに答えていく姪。しかしなぜかパパのばばの名前は?の質問に姪は頭を悩ませ始めた。

「.........」

しばらく沈黙が続いた後、姪の口から出た言葉は「おふくろ!」だった。一同大爆笑の渦であった。子供の可愛らしい声で、「おふくろ」と言われるとこれがなんとも言えないのだ。

 子供というのは様々な媒体から言葉を覚えていくが、やはり一番影響力があるのは両親だろう。そういえば、パパはいつも自分の親を「おふくろ」と呼んでいる。これからどんな言葉で私達を楽しませてくれるのか、楽しみである。